名古屋地方裁判所 昭和62年(わ)2422号 判決
判決主文
被告人を懲役一年六月及び罰金三二〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
一 罪となるべき事実の要旨
被告人は、愛知県西尾市熊味町北十五夜五七番地二に居住し、同市熊味町北十五夜一七番地において、「西尾衛生社」の名称でし尿処理及びし尿浄化槽清掃業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、所得税の確定申告に際しては、所得金額に関する収支計算をせず、適宜の過少な所得金額を計上するところのいわゆる「つまみ申告」を行う方法により、所得の一部を秘匿した上
第一 昭和五八年分の実際の所得金額が六六八八万七三九六円であり、これに対する所得税額が三五九一万五九〇〇円であるのに、同五九年三月一三日、同市熊味町南十五夜四一番地一所在の西尾税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九八〇万円であり、これに対する所得税額が二一二万二〇〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、正規の所得税額との差額三三七九万三九〇〇円を免れ
第二 同五九年分の実際の所得金額が七二六九万二八六七円であり、これに対する所得税額が三八五〇万二七〇〇円であるのに、同六〇年三月一三日、前記西尾税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一一七〇万円であり、これに対する所得税額が二五八万八八〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、正規の所得税額との差額三五九一万三九〇〇円を免れ
第三 同六〇年分の実際の所得金額が七五七五万七二三一円であり、これに対する所得税額が四〇四九万五〇〇〇円であるのに、同六一年三月一五日、前記西尾税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一一七五万円であり、これに対する所得税額が二五八万八八〇〇円である旨の虚偽過少の所得税確定申告書を提出し、正規の所得税額との差額三七九〇万六二〇〇円を免れ
もって、いずれも不正の行為により所得税を免れたものである。
一 適用した罰条
所得税法二三八条一、二項
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項、一八条、二五条一項
裁判所書記官 伊藤良信
(裁判官 前原捷一郎)